鹿嶺高原キャンプ場
今回は、長野県のほぼ中央に位置する伊那市の鹿嶺高原キャンプ場を紹介します(2018年9月下旬訪問、2泊)。1,800mを越える高原にあり、豊かな自然と伊那市街、南アルプス・中央アルプス・北アルプスを望む景色が素晴らしいキャンプ場です。
目次
鹿嶺高原キャンプ場の基本情報
所在地 | 長野県伊那市長谷非持3817-1 |
料金 | スペシャル区画サイト:7,000~9,000円 オートサイト:5,000~9,000円 フリーサイト:1,000~1,800円/大人 500~900円/子ども ソロサイト:1,000~1,800円/大人1名 |
予約方法 | インターネット |
標高 | 1,840~1,860m ※1(平地より12℃寒い) |
※1:地理院地図
子供向けの娯楽は少ないので、山好きな方、自然を楽しめる方、大人向けのキャンプ場です。伊那市街から標高差1,200mを上がって来るので、どこかに出掛けるベースとするのにも向いていません。
キャンプ場と周辺のスーパー、日帰り温泉などの場所は下のGoogleマップで確認してください。右上の□アイコンで「拡大地図を表示」すると詳しく見ることができます。
□料金
料金は、レギュラーシーズン/ハイシーズン/トップシーズンの3つに分けて設定されています。トップシーズンと言うと普通は夏休み中やお盆を想像しますが、ここでは11月からがトップシーズン設定になっています。非常に珍しいですね。
□伊那市街の夜景
テントサイトから夜景が見えるのはスペシャル区画サイトだけですので、ご注意ください。スマホ版公式サイトとキャンプ場のポスターに、焚き火を囲んでワインを飲みながら伊那の夜景を見下している写真がありますが、スペシャル区画サイトでも、写真と同じように遮るものが何も無いところはありません。フリーサイトでは、道路の傍まで行くか、道路を渡って向こう側まで行くと夜景が見えます。オートサイトからは、雷鳥荘の方に10分ほど歩いて行かないと夜景は見えません。ソロサイトから移動せずに見えるのは東側の南アルプスの景色ですが、20~30m移動すれば西側の夜景も見えます。
サイトタイプ | スペシャル区画サイト:芝、区画サイト、森の中 オートサイト:芝、区画サイト、木は若干あり フリーサイト:草、フリーサイト、木はなし ソロサイト:草、フリーサイト、森の中 | |
オートサイト | △ | オートサイトのみ乗り入れ可 |
電源サイト | × | |
入浴施設 | ○ | コインシャワー 4分100円 |
炊事場の温水 | × | |
洗濯機 | × |
炊事場、トイレは清潔です。炊事場の排水口は生ごみが溜まっていましたが、ひとりひとりのマナーの問題なので、多少は仕方ありません。公式サイトによると、11月からは水道管が凍って使えなくなるそうで、水を持参する必要があるそうです。登山家にとっては日常かもしれませんが、キャンパーにはびっくりな環境ですね。
他にも、9月は最低気温0℃、10月は-5℃、11月は-10℃になるなど、キャンプ場の様子が詳しく書いてあるので、利用前に公式サイトで確認してください。
鹿嶺高原展望台
皆が目当てにしているのがこの展望台からの眺めです。特に日の出のときは人が集まり、5時前には人でいっぱいになっていました。カメラ、双眼鏡を三脚に据えている方も3人ほど。下の日の出の写真では、鋸岳と遠く甲斐駒ヶ岳(南アルプス)が見えています。刻々と色を変えていく山の表情がいつまで見ていても飽きません。写真ではなかなか伝わらないですが、実際に目で見ていると遥かに美しいです。西に目を向ければ、伊那市街と遠くには中央アルプス、北アルプスも見えます。雲海は朝方だけでなく、昼にも広がることがあります。
夕焼けも、信州サンセットポイント100選に選ばれた ※2 ほど素晴らしいそうです。私は残念ながら二日とも曇りで見ることができませんでした。
展望台まではフリーサイトから徒歩5分ほどです。距離は100mちょっとしかないのですが、登りの階段がきつく息が上がり、時間がかかります。ソロサイトからも5分ほど、ゆるやかな登りで苦になりません。オートサイトからは25分ほどかかります。
※2:鹿嶺高原の案内看板より
鹿嶺高原キャンプ場のテントサイト
鹿嶺高原キャンプ場には、スペシャル区画サイト、オートサイト、フリーサイト、ソロサイトの4種類があります。それぞれについて簡単に説明します。
スペシャル区画サイト
このサイトだけ、テントサイトから伊那市街の美しい夜景が見られます。ただしちょっと木で遮られます。日の出は見えません。日の出を見るには展望台まで行く必要があります。徒歩10分弱です。
オートサイト(北星平オートキャンプ場)
トイレ、炊事場はライトが無いので、星の観察にはうってつけです。テントの光が気になっても、ちょっと歩けば真っ暗なところを見つけられます。ただしどこに行っても木は生えているので、星空への視界は狭いです。一番木が少なく視界が開けているのはキャンプ場内です。展望台に上がれば完全に視界が開けて、満点の星が楽しめます。
地面が緩めで、水はけがよくないようです。9月22日の未明に雨が降ったのですが、キャンプ場内の道路やサイト内の駐車スペースに、深めの轍がいっぱいできていました。このため、車高の低い車は注意が必要です。公式サイトでは四駆が推奨されていました。
フリーサイト(月見平キャンプ場)
今回私はフリーサイトを利用しました。下のGoogleストリートビューで見えているのは、オートサイトの荷物下し専用の駐車場です。キノコ型キャビンとトイレ棟、炊事棟も見えています。
階段が10段ほどあるので、荷物運びはちょっと大変です。ちょっと右の方に行けばスロープもあります。荷物を下し終わったら、100mほど下にある駐車場に移動しなければなりません。駐車場からテントサイトまでは100~150mなので、さほど苦にはなりません。
サイトは下半分はちょっと傾斜があります。できれば早めに行って上半分を確保したいです。地面は多少デコボコしており、大き目の石(10~30cmくらい)や切り株(抜けたもの)も点在しています。新鮮な動物のフンもあちこちにありました。地面の穴とフンを避け、石を移動してテントスペースを作りました。
□気温
標高が1,800m超とかなり高いため、夜の冷え込みは厳しいです。表1の「平地より12℃寒い」というのは平均的な湿度で計算したもので、鹿嶺高原は乾燥していることが多いため、更に気温が下がります。私は下は厚手のスウェットパンツを2枚にシャカパン、上もスウェットやフリース、ダウンを6枚重ね着しても、19時半頃には震えが止まらないほど寒くなりました。
□星の観察
本格的な観察は炊事棟とトイレの灯りが消えるのを待ちたいです。標高が高く空気が乾燥しており、街の明かりも遠いので条件はいいです。早い時間から簡単な観察をするには、炊事棟、トイレから離れるサイトの上半分を確保したいです。
□ぼんてん岩
キャンプ場の案内看板にあったので行ってみましたが、山の自然や眺めを楽しめる大人向けです。岩はそれほどインパクトがあるものではないですし、看板には所要40分とあったもののもっと長く感じ、子供には不評でした。
付近の観光情報
道の駅 南アルプスむら長谷「パンや」のクロワッサン
「パンや」という名前のパン屋さんのクロワッサンが美味しくて有名です。シロップがかかっていてほんのり甘く、本当に美味しかったです。子供もあまりに美味しかったようで、いまだにクロワッサンを見る度に「あのクロワッサン食べに行きたい」と言います。
皆さん2箱3箱と箱買いしていきます。20分ごとに100個ほど? ものすごいペースで試食を出してくれるのですが、毎回1~2分であっという間に無くなります。なかなか試食ができないので、試食が5回出るまで長居してしまいました。もちろん私も箱買いして帰りました。
ほたる童謡公園
「日本一のホタルの里」を掲げている ※11 長野県上伊那郡辰野町のホタル保護地です。1970年頃から町をあげてホタルの保護活動を続けて ※12 おり、当り年には多い日で15,000匹 ※13 ものほたるが乱舞します。キャンプ場からは40kmあるのでちょっと遠いですが、関東地方からキャンプ場に向かうのであれば通り道です。
いつかは絵本「モチモチの木」に出て来るような「無数のホタルを見てみたい」との思いで、今まで各地(下記)にホタルを見に行きましたが、今だ夢が叶っていません。そんな中、2015年頃にネットで見つけたのがここです。もう数年経ってしまいましたが、いつかは訪れてみます。
・月夜野ホタルの里(群馬県利根郡みなかみ町)
・日光だいや川公園 ホタル観賞会(栃木県日光市)
・ホタルのさと かさやと(東京都稲城市)
・せたがやホタル祭り(東京都世田谷区)
・洗足池ほたるのゆうべ(東京都大田区)
世界に目を向けると、例えばミシシッピ川のバイユーにはものすごい数のホタルがいるそうです。アメリカ人の知人に教えてもらいました。ここなら夢が叶う気がしているので、行きたいと思っています。バイユーとは、低地を小川がゆっくり流れる地形を表す言葉 ※14 で、ディズニーランドのブルーバイユー・レストランもこの言葉から来ています。
※11:一般社団法人長野伊那谷観光局
※12:辰野町観光サイト「ホタル保護の歴史」
※13:辰野町観光サイト「令和2年度 松尾峡・ほたる童謡公園のほたる発生状況」
※14:ウィキペディア